関裕子、浜田直子・佐藤
イノシン酸(イノシン一リン酸、IMP)は魚の味の成分で、IMP分解酵素(IMPase)によって分解され、風味に影響を与えます。IMPase活性を測定するには、均質化した魚肉から酵素を溶液として抽出し、次にIMPを酵素で分解し、IMPからのリン酸の生成を定量します。しかし、魚の筋肉に存在する可能性のある細菌によるIMPの分解は、内因性IMPase活性の定量に潜在的に影響を及ぼす可能性があります。本研究では、アジから得られた酵素溶液から2つの細菌株を分離し、IMPを分解する能力を調査しました。16S rDNA分析により、分離株はPseudomonas fragiと、Pseudomonas veroniiまたはPseudomonas extremaustralisのいずれかであると特定されました。2つの分離株のうち、P. fragiのみがIMPを分解できることがわかりました。さらに、細菌が IMPase 活性の検出に与える影響は、反応時間が 24 時間を超えて延長された場合にのみ確認されました。