大沢亜矢子、伊藤久美子、福尾奈美、真岡崇、鶴岡秀樹、進藤一利
カロテノイドは野菜、果物、魚、甲殻類などの食品に広く分布しており、人間の健康に重要な役割を果たすと考えられています。これらの食品は調理のために加熱されることが多いのですが、これらの調理法による食事中のカロテノイドの変化について報告した研究はほとんどありません。本研究では、アスタキサンチン、アドニルビン、カンタキサンチンの混合物(6:3:1、すべてトランス)(80 mg Panaferd AX/kgを含む飼料をサケに摂取させた)を2年間与え、加熱調理(蒸し、焼き、揚げ、電子レンジ調理)したアトランティックサーモン中のカロテノイドをシリカゲルHPLCカラムを用いて分析し、生のサケに含まれるカロテノイドと初めて比較しました。その結果、カロテノイドを摂取したサケ由来のシスカロテノイド(9-シスアスタキサンチン、13-シスアスタキサンチン、13-シスカンタキサンチン、13-シスアドニルビン)は、加熱調理したサケでは明らかに増加していた。シス異性体/全体(トランス+シス異性体)の割合は、電子レンジ加熱(21-32%)、蒸し焼き(17-24%)、揚げ物(14-21%)でそれぞれ増加した。また、単離した天然およびシス異性体カロテノイド(トランスまたはシスカンタキサンチン、アドニルビン、アスタキサンチン、アドニキサンチン)の一重項酸素消去活性を調べたところ、トランス異性体とシス異性体の間に有意差はないと結論付けた(IC50 2.4-7.4 μM)。