佐古賢一、埴生久夫、長谷川真弓、土肥裕久、矢野俊介、大沢雄一郎、岸野透、松木良彦、有末由美子、川村毅、木村正之、松田良和
薬物動態薬力学 (PK-PD) モデリングとシミュレーションは、化合物の選択、用量の選択、研究デザイン、患者集団など、開発と治療のコストに影響を与える可能性のあるものを含む、医薬品開発と臨床現場における重要な決定を行う際に使用する非常に貴重なツールです。抗菌剤の臨床 PK-PD モデリングとシミュレーションは、最小発育阻止濃度 (MIC) 値を病院の検査室で簡単に測定できるため可能です。しかし、他の多くの種類の医薬品では、このように簡単に測定できる臨床マーカーはありません。この観点から、プロテオミクス手法は、医薬品固有のバイオマーカーなどの直接的な PD パラメーターを見つけるために利用できる可能性があると考えました。多くのレポートでは、プロテオミクスが、PK-PD モデリングとシミュレーションに使用できる医薬品固有のバイオマーカータンパク質の検索における有望なツールであることを示唆しています。したがって、特定のバイオマーカータンパク質の発現における薬剤誘発性変化の検査を可能にすることで、MIC が抗菌剤の PD 評価に使用されるのとほぼ同じ方法で、プロテオームデータを PD 分析に使用できるようになります。