P-糖タンパク質 (P-gp) は腫瘍組織および正常組織で発現する排出トランスポーターであり、薬物の薬力学および薬物動態に重大な影響を及ぼし、薬理効果を損なう可能性があります。薬物発見および開発 (DDD) プログラムでは、P-gp の基質、阻害剤、または誘導剤である化合物を特定することで、薬物候補の選択と最適化に役立ち、最終的には理想的な薬理学的プロファイルを持ち、P-gp を介した薬物間相互作用の可能性が低い薬物を開発できます。この目的のために、ローダミン 123 (Rho 123)、ジゴキシン、およびタリノロールは、いくつかの in vitro および in vivo モデルで P-gp 基質プローブとして一般的に使用されています。
本稿では、薬物動態における P-gp の重要な役割と、現在の DDD におけるその調節の影響についてまとめました。さらに、DDD のさまざまな段階で P-gp 基質プローブとして Rho 123、ジゴキシン、タリノロールが使用された文献からいくつかの例の概要も説明しました。Rho 123 は初期の薬物発見および非臨床開発段階で効果的に使用されているようですが、P-gp の臨床 in vivo プローブ薬としてはジゴキシンとタリノロールがより頻繁に適用されています。ただし、規制申請では、Rho 123 は in vitro 調査にも使用できないため、タリノロールよりも利点があるジゴキシンが好まれます。