アワル・ホセイン・モラー
本論文は、バングラデシュにおける自由で公正かつ信頼できる選挙と民主的統治との関係を評価した。本論文は記述的かつ定性的な性質のものであり、主に二次文献に基づいている。本研究を行うために、まず概念の明確化が行われ、自由で公正かつ信頼できる選挙のいくつかの要素が特定された。次に、独立以降に行われたすべての国政選挙を分析することにより、バングラデシュの選挙でこれらの要素がどの程度確保されているかを評価した。これらとは別に、バングラデシュで自由で公正かつ信頼できる選挙を実施するための主な要因と課題が検討された。本研究の主な知見は以下のとおりである。バングラデシュの独立以来、様々な政権下で10回の国政選挙が実施された。10回の国政選挙のうち4回は、無党派の暫定政府によって実施され、自由で公正かつ信頼できる選挙であった。残りの選挙は、選挙で選ばれた政府の下で行われた論争や操作に満ちている。現在のAL政府は、現政権(AL)による第10回議会選挙で選出されたが、BNP率いる主要野党同盟(20政党)がこの選挙をボイコットし、全300議席のうち154議席が無投票となった。その結果、ALは再び競争のない選挙で政権を握り、メディア界を含む国内外の選挙監視団の大半は、この選挙は不公平であり、政府は正当性の欠如に苦しんでおり、これが再度の暫定選挙を求める政治的圧力を生み出しており、恒久的な解決策が必要であるとみなしている。