森脇 裕司
臨床現場で一般的に使用されている多くの薬剤は、血清尿酸濃度に影響を及ぼす可能性があります。尿酸生成の増加または尿酸排泄の減少によって血清尿酸値を上昇させるものもあれば、尿酸排泄の増加または腸管からの尿酸吸収の減少によって血清尿酸値を低下させるものもあります。さらに、サリチル酸塩はいわゆる「二相性効果」を示します。少量では血清尿酸値を上昇させますが、高用量では血清尿酸濃度を低下させます。これらの薬理学的薬剤が尿酸代謝に及ぼす影響を理解することは、高尿酸血症や痛風発作の予期しない副作用を回避するのに役立ちます。さらに、一部の薬剤の低尿酸血症特性により、多剤併用療法の必要性がなくなり、服薬コンプライアンスが向上する可能性があります。