岡部智之、小倉武晴、吉村崇、田中良幸、豊田弘、藤田健一、佐々木康綱
SW651Kは、テガフール(FT)、5-クロロ-2,4-ジヒドロキシピリジン(CDHP)、およびオキソ酸カリウム(Oxo)の固定配合剤であり、日本で胃癌の治療に広く使用されているS-1のジェネリック医薬品です。臨床治療におけるSW651Kの薬理作用に関する詳細な情報はほとんどありません。しかし、臨床試験でPK/PDを評価することは容易ではありません。そのため、本研究では、腫瘍担持ラットにおける薬物動態と腫瘍縮小の観点から、SW651KとS-1の生物学的同等性を検討しました。SW651KとS-1の生物学的同等性は、最初に吉田肉腫担持ラットで評価されました。SW651Kを1回投与した後、血漿、腫瘍、小腸、大腸におけるFT、5-フルオロウラシル(5-FU、FTの活性代謝物)、CDHP、およびOxoの濃度を分析しました。各製剤による治療中、連続7日間、腫瘍サイズを測定した。次に、14日間治療したヒト胃癌細胞(NUGC4)担癌ラットの腫瘍サイズを測定した。腫瘍の5-FU濃度も分析した。SW651KまたはS-1とシスプラチンを投与されたNUGC4担癌ラットの腫瘍サイズも評価した。SW651Kは、ラットにおける全成分および5-FUの薬物動態に関して、S-1と生物学的に同等であった。両製剤は、単独療法を受けた吉田肉腫およびNUGC4腫瘍担癌ラットにおいて同等の抗腫瘍活性を示した。さらに、シスプラチンとの併用治療は、NUGC4腫瘍担癌ラットの体重減少を増加させることなく、両製剤の抗腫瘍効果を同様に増強した。結論として、腫瘍を有するラットにおける薬物動態および抗腫瘍効果の点で、SW651K と S-1 の生物学的同等性が確認されました。私たちの結果は、SW651K が臨床的に S-1 と同等であることを示唆しています。