江田 伸彦
西洋諸国では、さまざまなスタイルのヨガの実践が人気となっている。近年、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、がん、心血管疾患(CVD)、肥満、糖尿病などの慢性疾患が世界中で深刻な問題となっており、高齢者が免疫機能を維持または改善することが重要になっている。ヨガは、慢性疾患患者の苦痛や機能的パフォーマンスに良い影響を与え、いくつかの免疫指標を改善することが報告されている。本稿では、慢性疾患、特にCOPDとがん、およびヒトβディフェンシン2(HBD-2)、ナチュラルキラー(NK)細胞、炎症性サイトカインを介した免疫機能に対するヨガの効果を調べた最近の研究をレビューする。ヨガは慢性疾患の補完療法および代替療法として使用できる可能性があり、健康を維持したい高齢者にとってヨガが有用であると期待している。