桑原啓司、市原秀明、松本洋子
α-D-グリコピラノシル-α-D-グルコピラノシドモノミリステートおよびL-α-ジミリストイルホスファチジルコリンからなるトレハロースリポソーム(TL)のヒト神経膠芽腫(U-87MG)細胞の増殖に対する阻害効果を評価した。TLがU-87MG細胞膜に融合・蓄積した後、アポトーシスの誘導が観察された。TLで処理したU-87MG細胞の膜流動性の増加が観察された。TLは、カスパーゼ非依存性経路を介してミトコンドリアおよびアポトーシス誘導因子を活性化することにより、U-87MG細胞にアポトーシスを引き起こした。TLの静脈内投与後、神経膠芽腫(U-87MG)の同所性移植マウスモデルの腫瘍重量は、対照群と比較して著しく減少した。