ベルンハルト・レッシュ
先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染症は、知的障害の原因として最も頻繁に特定されるウイルス性疾患であり、
先進国における神経感覚性難聴の主な非遺伝的原因
です。また、ヒトにおける最も一般的な先天性感染症
で、米国で出生する乳児の約1%が
CMVに感染しています。出生時に点状出血、肝脾腫、小頭症、血小板減少症、または抱合型高ビリルビン血症を伴う黄疸などの
所見が認められる症状のあるCMV感染症の乳児では、70%の症例でコンピューター断層撮影(CT)スキャンに異常が認められ、脳内石灰化が最も頻繁に認められる所見でした。また、新生児CTスキャンで異常が認められた小児の90%に、少なくとも1つの後遺症が認められました[4]。さらに、CT異常のある小児のほぼ半数がIQ50未満であったのに対し、CTが正常な小児ではIQが0でした。感染した胎児のうち、約10%が出生時に症状を示し、症状のある生存者の90%は、 30%から65%の聴覚障害を含む重大な神経学的後遺症を抱えています。