イメ・ピーターセンとレギーネ・コレク
目的:ゲノム研究におけるプライバシーに関する現在の生命倫理の議論では、個々の研究結果を返却する倫理的義務についてはまだ十分に検討されていません。データの匿名化は、ゲノミクスでは問題があるとはいえ、プライバシーに関する懸念をいくらか軽減する一方で、個々の研究結果へのアクセスを妨げます。しかし、ゲノム研究に参加する患者のプライバシー喪失に対する懸念や研究結果を受け取ることへの期待に関する実証データはほとんどありません。本論文の目的は、ゲノム研究におけるデータプライバシーとアクセスの緊張を参加者がどのように概念化しているかを明らかにすることです。
方法:比較研究が不足しているため、3つの国の研究集団 (ベルギー、n=152、英国、n=122、ドイツ、n=122) におけるプライバシーに関する懸念と研究結果を受け取ることへの期待に関する参加者の態度と認識を調査しました。募集された調査参加者は、ゲノムがん研究に生体試料を提供した乳がん患者でした。
結果:回答者の半数だけが、自国の法律が健康情報を保護するのに十分であると信じていました。しかし、潜在的に差別となる健康状態や遺伝子検査の結果は、センシティブデータとしてスコア付けされました。第三者への開示については、48%が同意なしに家族に健康データを開示されることを望みませんでした。80%以上が保険会社や雇用主への不正なデータ転送から保護されることを望んでいました。回答者は、個別の研究結果よりも集計結果の受け取りを好みました。好まれた連絡方法は、郵送による回覧板(集計結果)と医師との相談(個別の結果)でした。国による違いについては、調査結果は非常に均質で、英国の調査のみが統計的にわずかな変動を示しました。
結論:ゲノム研究の参加者は、提供した組織を個人的かつプライベートなものとして捉えていました。したがって、彼らは研究参加者に対して感謝の意を表す何らかの形の相互関係を期待していました。私たちの調査は、参加者が受け取るべきものに関する期待は、集計研究結果の要約など、主に象徴的な関連性である可能性があることを示唆しています。