花田総一郎、白波瀬健、沢口博千代、村木真人、遠田祐司
目的:日本では現在、コルチコステロイドと長時間作用型β2刺激薬を配合した加圧式定量噴霧式吸入器(pMDI)として、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロール配合剤(FSC)とフルチカゾンプロピオン酸エステル/フォルモテロール配合剤(FFC)の
2種類が販売されている。FFC pMDIの有用性を検討するため、喘息患者を対象にFSCからFFC pMDIに切り替えた後の有効性、有害事象、取り扱いについて調査した。方法:FSC pMDI(250/50 μg)を1日2回使用している外来患者56名を本研究に登録した。FFC pMDI(250/10 μg)を1日2回8週間使用する前と使用後に、喘息コントロールテスト(ACT)質問票、喘息健康質問票(AHQ)-33-Japan、スパイロメトリー、強制
振動法について評価した。研究最終日に、FSC pMDIとFFC pMDIの主観評価のためにオリジナルの質問票が配布された。
結果:FFC使用後、ACT(22.54から22.98、p = 0.0076)およびAHQ-33 Japan(16.27から14.23、p = 0.0162)スコアの改善が認められた。さらに、吸気容量(p <0.0001)および1秒間の努力呼気量(p = 0.0122)が有意に増加した。さらに、患者の51.8%がFFCを好み、12.5%がFSCを好んだ。
結論:FSC pMDIからFFC pMDIに切り替えた後、患者に主観的および客観的な改善が認められた。これらの知見は、喘息患者にとってFFCの方が有用であることを示している。本研究の結果を確認するには、さらなる研究が必要である。