糖尿病の症例報告

概要

妊娠糖尿病におけるD-カイロイノシトール治療の有効性

ニコリーナ ディ ビアセ*、モニカ マルティネッリ、ヴァレリア フロリオ、クリスティーナ メルドレシ、マルコ ボニート

背景：本研究の目的は、妊娠糖尿病（GDM）の女性の代謝制御におけるD-カイロイノシトール（DCI）の役割を評価し、妊娠および胎児の結果への影響を調査することであった。
方法： 2013年12月から2015年12月までの間に、外来診療所に通院しているGDMの妊婦を対象に、前向き、無作為化、非盲検、単施設、パイロット研究を実施した。患者は、DCI（1日2回500mg）を投与される群と投与されない群に無作為に割り付けられた。母親の医学的状態、胎児発育パラメータ、産科合併症を評価した。
結果：合計137人の妊婦が登録され、DCIを投与される群（n=67）と投与されない群（n=70）に無作為に割り付けられた。DCI群では、食後血糖値（朝食、昼食、夕食、それぞれp=0.005、p=0.003、p=0.005）の減少が認められた。対照群の平均体重増加は11.5kgであったのに対し、DCI群では平均9kg増加した（pT検定=0.015）。2つの群はインスリン投与回数において有意に異なっている（対照群では1日平均3回、DCI群では2回、pT検定=0.026）。対照群の新生児の平均腹囲は339mmであったのに対し、DCI群では332mmであった（pMann-Whitney=0.001）。対照群の新生児の平均頭囲は338.5mmであったのに対し、DCI群では333mmであった（pMann-Whitney=0.012）。新生児の出生体重に有意差は認められなかった（DCI 3.360kg、対照群3.262kg、p=0.067）が、出生時の新生児PIはDCI群の方が有意に低かった。
結論:私たちの結果は、DCI サプリメントが妊娠中のグルコース代謝を改善し、母体の体重増加と胎児の成長を抑制することを示唆しています。したがって、妊娠中の DCI の食事サプリメントは GDM の治療に魅力的な戦略である可能性がありますが、さらに調査する必要があります。