梅原芳恵、富永光敏、フランソワ・ニヨンサバ、高森健司
かゆみ、痛み、温度、触覚などの体性感覚は、脊髄後根神経節(DRG)または三叉神経節に細胞体を持つ末梢感覚ニューロンによって媒介されます。体性感覚情報の伝達の基礎となるメカニズムを理解することは、組織再生、疾患モデル化、治療戦略の開発に重要です。遺伝子工学技術により、動物における感覚刺激関連伝達分子が特定されていますが、ヒトのDRGから末梢ニューロンを収集することは倫理的な問題があるため、ヒトでの分析は限られています。ヒトの体性感覚の根底にある生物学と病態生理学を調査するには、ヒト細胞リソースから得られる末梢感覚ニューロンが必要です。このレビューでは、ヒト感覚ニューロンの生理学的研究に使用される最近開発された方法とツール、およびこれらの調査結果について説明します。