タチアナ・ロパティナ、オーロラ・マッゼオ、ステファニア・ブルーノ、チロ・テッタ、ナタリア・カリーニナ、レナート・ロマニョーリ、マウロ・サリッツォーニ、マッシモ・ポルタ、ジョバンニ・カムッシ
目的:本研究の目的は、培養中の脂肪由来間葉系幹細胞(ASC)によって分泌される細胞外小胞(EV)の血管新生特性に対する塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の効果を調べることであった。
方法: bFGFあり(FGF-EV)またはbFGFなしで(b-EV)培養したASC(ASC-EV)からEVを単離した。ヒト微小血管内皮細胞(HMEC)に対するEV血管新生作用を、in vitroでは毛細血管様構造形成アッセイにより、in vivoではSCIDマウスへのHMEC含有マトリゲルの皮下注射により比較した。PCRアレイによってEVのマイクロRNA組成を分析し、bFGF刺激後に変化する2つのmi-RNA、miR-223とmiR-21を選択した。我々は、EVの作用を補うために、短いアンチセンス抗miR-223または模倣miR-21をHMECに導入した。
結果: in vitroでは、FGF-EV刺激HMECによって形成された血管様構造の全長と分岐数は、b-EV刺激に比べて有意に減少し、構造はb-EV刺激後よりも有意に大きくなっていた。in vivoでは、FGF-EV刺激HMECによって形成された血管は、b-EV刺激HMECによって形成されたものに比べて数が有意に少なかったが、サイズは有意に大きく、マウス平滑筋アクチン陽性細胞を含んでいた。bFGFは、血管新生因子の発現減少を特徴とするASCEVの分子変化をもたらすことがわかった。さらに、bFGF刺激は、抗血管新生miR-223の発現を上方制御し、血管新生促進miR-21のレベルを低下させた。 FGFEV の効果は、miR-233 の阻害と miR-21 模倣物によって拮抗されました。
結論:結果は、培養条件が ASC 由来の EV の血管新生促進活性を変え、タンパク質と RNA の含有量を変える可能性があることを示しています。特に、bFGF は血管数の増加ではなく、血管の安定化を刺激する EV の生成を誘導します。