関 正文、矢吹 裕子
2011年から2014年にかけて、日本の三次医療機関である大学病院で定期的にインフルエンザのアウトブレイクが発生した。2014年までは、患者と病院職員の両方に定期的なワクチン接種プログラムが実施されていたものの、院内インフルエンザのアウトブレイクのたびに各病棟で予防的抗インフルエンザ薬が恣意的に投与されていた。2015年以降、予防的抗インフルエンザ薬の使用は感染症(ID)医師によって管理され、その後、アウトブレイクの数と予防薬のコストはともに削減された。2016年以降、ラニナミビルの使用は増加し、オセルタミビルの使用は特に病院職員で減少した。患者に対する抗インフルエンザ薬の予防的使用は効果的であり、ID専門医によって体系的に管理されるべきである。