木谷隆、丸山紗穂、青石邦英、西田直哉、小川秀夫、安部保則、林祐司、山下正勝、羽藤直人
背景: SH-2251 はマウス気管支喘息モデルにおいて IL-5 産生およびタイプ 2 気道炎症を阻害します。しかし、アレルギー性鼻炎 (AR) に対する SH-2251 の治療効果は試験されていません。我々は SH-2251 が AR のマウスモデルの鼻症状および鼻粘膜の炎症を改善できるかどうかを調査しました。
方法: AR は、オボアルブミン (OVA) の腹腔内注射により誘発され、その後 OVA による毎日の鼻腔内チャレンジが行われました。SH-2251 (10 mg/kg) または媒体 (DMSO+Tween80) は、鼻腔チャレンジと同じ期間に 1 日 1 回経口投与されました。鼻症状は、14、17、21、28、35 日目にくしゃみと鼻をこする回数を数えることで評価しました。35 日目に、鼻粘膜の Il4、Il5、Il13、Ifnγ、Il1rl1 mRNA のレベルを調べました。36 日目に組織学的所見を調べました。
結果:くしゃみと鼻をこする回数は、SH-2251 の投与によって有意に減少しました。SH-2251 を投与したマウスでは、溶媒を投与したコントロール マウスと比較して、好酸球浸潤と鼻粘膜の肥厚の両方が改善しました。鼻粘膜の Il5、Il13、Il1rl1 の mRNA 発現は、溶媒群と比較して SH-2251 投与群で有意に減少しました。
結論:これらの結果は、SH-2251 が AR の新たな治療候補となる可能性があることを示唆しています。さらに、SH-2251 は、Il1rl1 発現の阻害を介して IL-33 シグナル伝達を標的とし、タイプ 2 慢性炎症の病因を改善する可能性があります。