黒川一郎
結節囊胞性ざ瘡は難治性ざ瘡の一種である。本研究では、結節囊胞性ざ瘡患者に柴苓湯(日本の生薬)の経口投与と併用薬を投与した。有効率が「良好」を上回る割合は 84.0% であった。軽度の副作用として、2 名の患者で肝酵素のわずかな上昇、1 名の患者で手足の震えが認められた。1 名の患者で、副鼻腔炎と肥厚性瘢痕が著しく改善した。今回の観察結果から、柴苓湯は結節囊胞性ざ瘡の治療における補助的代替薬の候補となることが示唆される。柴苓湯単独の薬理作用と臨床効果、およびざ瘡の病因を解明するには、さらなる調査が必要である。