ゴバーダン・レディ・トゥルプ
FeVO4-CrVO4固溶体の構造相図を確立するために、XRD、ラマン、メスバウアー、およびFT-IR分光法を使用した徹底的な構造研究が行われました。固溶体Fe1–xCrxVO4(0≤ x ≤1.0)は、標準的な固相ルートで合成されました。FeVO4とCrVO4は、それぞれ三斜晶系(P-1空間群)と斜方晶系(Cmcm空間群)の構造であることがわかりました。FeVO4格子へのCrの組み込みにより、固溶体の両端のメンバーとは異なる新しい単斜晶相が出現します。x = 0.10までのFe1–xCrxVO4では、三斜晶系構造に識別可能な変化は見られませんでした。 x = 0.125 で三斜晶相内に新しい構造的単斜晶相 (C2/m 空間群) が出現し、Cr 含有量の増加とともに、構造のリートベルト解析で証明されるように、x = 0.175~0.25 の範囲で明確な単相シグネチャで安定化します。x = 0.33 を超えると、CrVO4 (Cmcm 空間群) に類似した斜方晶相が出現し、x = 0.85 まで単斜晶構造と共存し、最終的に x¼ 0.90~1.00 の範囲で安定する傾向があります。ラマン分光研究でも構造遷移が確認されています。FeVO4 ラマンスペクトルは、三斜晶構造の 3 つの非等価 V イオンに関連するモードを示しており、本研究では最大 42 のラマンモードが観察されています。対称性が高い構造が安定化すると、ラマンモードの数が減少し、対称性不等価サイトに関連するモードが二重構造から特異モードに収束します。57Feメスバウアー分光法の研究では、Fe1-xCrxVO4のCr含有量の増加に伴い、構造が三斜晶系-単斜晶系-斜方晶系相から変化するにつれて、Feの非等価サイトが消失するという指紋のような証拠が示されています。FT-IR研究でも、同様のバンド形成で結果が裏付けられています。