石塚 洋介*
表皮組織は細胞骨格の広範な架橋を経て、最終的に高度にジスルフィド架橋された死んだ細胞層である角質層に至ります。そのため、角質化は硫黄の同化代謝に例えられます。漏れやすい細胞間バリアにより、抗原提示細胞は異物に容易にアクセスでき、タイトジャンクション (TJ) での抗原取り込みの強化がアトピー性皮膚炎の原因であると考えられています。しかし、チオールを豊富に含む細胞骨格タンパク質ロリクリンがなければ、健全な表皮構造は得られません。ロリクリンのダウンレギュレーションは、アトピー性皮膚炎の病理を示すだけでなく、表皮代謝にも影響を及ぼします。代謝微小環境は、局所適応免疫応答をカスタマイズできる単球マクロファージシステムを遺伝的に再プログラムします。したがって、TJ より上で無数の代謝経路を経る角化ケラチノサイトは、皮膚免疫エフェクター機能の遺伝子発現プログラムに直接影響を与えることによって、遠位免疫エフェクター機能を制御できると私たちは考えました。