園原史典、林正道、菱田光弘、猪川義邦、神田光郎、西川洋子、武田信、杉本裕之、藤井勉、小寺康弘、野本修司
本研究では、肝細胞癌(HCC)における腫瘍関連遺伝子を同定するために、トリプルコンビネーションアレイ解析を独自に設計した。この方法を使用して、肥満およびインスリン抵抗性との関連が報告されている前立腺ファミリー4の6回膜貫通型上皮抗原(STEAP4)が候補腫瘍抑制遺伝子として検出された。48の腫瘍組織のうち32(66.7%)でSTEAP4プロモーターの高メチル化が見られ、その発現レベルは腫瘍組織で有意に低下していた(p<0.0001)。メチル化された症例では、無再発生存率(p=0.0462)および全生存率(p=0.0411)が有意に不良であった。トリプルコンビネーションアレイ解析は、HCCにおける新規腫瘍関連遺伝子を同定するための有用な技術である。