ドミニク・N・ファシポンテ*、マイケル・J・コスタンツァ
目的:血液透析を開始する前に動静脈瘻 (AVF) を設置した一連の患者を調査し、トンネル型透析カテーテル (TDC) による透析開始を必要とする AVF の使用準備の失敗に関連する要因を特定しようとしました。
方法:血管品質イニシアチブデータベースのデータと遡及的カルテレビューを使用して、2013年から2018年までに当院でAVFを留置したすべての患者を分析しました。主な研究グループには、血液透析が必要になる前にAVFを留置した患者が含まれていました。患者は、「成功」(AVF留置とAVFを使用した血液透析の開始)、または「失敗」(TDCを使用したAVF留置とAVFの留置と血液透析の開始)に分類されました。
結果:検討した46人の患者のうち、26人 (56.5%) が「失敗」に分類されました。失敗に関連する術前因子は、尿毒症 (成功群の5%、失敗群の26.9%、p=0.031)、尿毒症男性 (尿毒症男性患者の失敗37.5%、尿毒症女性患者の失敗0%、p=0.007)、男性の冠動脈疾患の既往 (成功8.33%、失敗50%、p=0.04)、および男性の経皮的冠動脈形成術の既往 (男性の失敗25%、女性の失敗0%、p=0.030) でした。
結論:透析開始前に AVF 設置を勧められた一連の患者では、TDC による血液透析開始率が予想外に高かったことが分かりました。この研究は、尿毒症や冠動脈疾患または介入の履歴などの患者関連要因が、AVF が血液透析の準備が整わないことと関連している可能性があることを示唆しています。この研究の知見を基にさらに研究を進めることで、TDC による血液透析開始の必要性を最小限に抑えるための患者選択の決定に役立つ可能性があります。