田中宏明、堀幸治、稲本温子
目的:アルツハイマー病(AD)における双極性気質(BT)と認知症の行動・心理症状(BPSD)の関係を評価する。
背景:日本ではADにおけるBPSDに対する薬剤は認可されていない。また、ADにおけるBTとBPSDの関係を評価した研究はなかった。
方法と結果:人口統計データ (性別、教育水準、認知症発症年齢、検査時年齢、罹病期間)、血圧、認知機能、BPSD の有無、MRI による脳の形態学的特徴 (p<0.05) を使用して、65 人の AD 患者を評価しました。BPSD は BT と関連していました。BT 患者では、教育水準が低いことが BPSD と関連していました (p<0.05)。
結論: ADにおけるBPSDはBTと関連しており、BTを持つ人の中では教育水準が低いことがBPSDと関連していた。ADにおけるBPSDには脳予備力(BR)と認知予備力(CR)が関連していると考えられた。いくつかの種類のBPSDはBRとCRと関連しており、CRを高めることでBPSDを予防できる可能性があると結論付けた。