棟田哲夫、川口恵理、林美保、坂東博、江部康二
近年、持続血糖モニタリング(CGM)が導入され、糖尿病の臨床研究に使用されている。
著者らは、低炭水化物食(LCD)とカロリー制限(CR)に関する研究を調査し、
日本LCD推進協会(JLCDPA)を通じて医学的および社会的LCD運動を展開してきた。本研究では、
CGMを使用してCRからLCDへの変更で顕著な改善効果が得られた症例を提示する。症例は2型糖尿病(T2DM)の41歳女性である
。彼女は新たにT2DMと診断され、HbA1c 11.0%、血糖>400 mg/dL、
BMI 26.0、AST 30 IU/mL、Hb 16.3 g/dLであった。 1~4日目は炭水化物60%のCR食、
5~7日目は炭水化物12%のLCD食を摂取した。血糖値は1~4日目で200~400 mg/dL、5日目で160~240 mg/dL、7日目で110~150 mg/dLを示した。FreeStyle Libre(米国アボット社)は血糖値の詳細な変動をモニタリングするための
有効かつ有用な医療機器である。LCD開始直後から血糖値は直ちに低下し、LCDの短期的な効果が認められた。これらの結果は基礎データおよび参考データとなり、今後の研究の発展に貢献すると考えられる。