熊谷亜希子、角田晃一
目的:酸化され損傷した分子の蓄積に関連する抗酸化作用と酸化ストレスに焦点を当て、口腔粘膜の角質増殖症の病因を調査しました。
材料と方法:被験者は、扁平上皮細胞増殖症、口腔扁平苔癬、上皮性異形成、または扁平上皮癌を有する非喫煙女性でした。タンパク質は、角化増殖症組織標本から抽出されました。酸化ストレスマーカーとして機能するカルボニル化タンパク質は、ウェスタンブロッティングによって検出され、ナノ液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析によって同定されました。さらに、抗ヘキサノイルリジン (HEL) 抗体を使用して、口腔粘膜組織切片の免疫組織化学染色を実施しました。
結果:口腔粘膜の角化過形成組織からいくつかのカルボニル化タンパク質がウェスタンブロットによって検出され、α-アクチニン-1 アイソフォーム a、腫瘍拒絶抗原 (gp96) 1、α-アクチニン 4、および中性α-グルコシダーゼ AB アイソフォーム 3 前駆体として同定されました。抗 HEL 抗体による免疫組織化学染色では、角化病変の棘から基底細胞層までが陽性でした。これらの結果は、角化過形成組織における局所的な酸化ストレス誘発性変化の存在を示しており、口腔粘膜角化病変の治療に対する新しいアプローチを示唆しています。