福士健介
重金属汚染土壌は、環境工学にとって依然として困難かつ不可欠な課題です。植物による修復(ファイトレメディエーション)は、広範囲の表層土壌汚染の緩和に効果的ですが、長い時間がかかり、効率も高くありません。化学薬品は土壌中の重金属のバイオアベイラビリティを高め、植物への蓄積を増加させる可能性がありますが、土壌、植物の成長、地下水環境にリスクをもたらすこともあります。本研究では、主にタンパク質と多糖類からなる微生物バイオポリマーを、非誘導、銅誘導、カドミウム誘導の活性汚泥培養から得て、それぞれ ASBP、ASBPCu、ASBPCd と名付けました。微生物バイオポリマーが汚染土壌中のカドミウムの植物抽出に及ぼす影響を調査しました。微生物バイオポリマーは、他の薬剤と比較して、土壌からのカドミウムの植物抽出を改善するのに効果的であることがわかりました。 ASBP、ASBPCu、ASBPCd では、植物中のカドミウム含有量はそれぞれ 1.52、1.63、1.33 μg (対照の 1.9、2.0、1.6 倍) であることがわかりました。また、微生物バイオポリマー ASBP、ASBPCu、ASBPCd の存在下では、c から植物または液体に抽出された交換性カドミウム画分はそれぞれ 10.9%、26.2%、13.7% で、対照試験 (4.3%) よりも高いことがわかりました。微生物バイオポリマーは、他の化学薬品よりも植物のカドミウム蓄積を改善するのに効果的でした。微生物バイオポリマーは、無害な性質、製造の容易さ、カドミウム結合の実現可能性により、汚染土壌からのカドミウムの植物抽出を改善するための新しい環境に安全な抽出剤として有用である可能性があります。