庄村優、小野田浩二
65歳の女性が、左鼠径部の皮膚潰瘍と脈動性腫瘍からの出血を主訴として当院を受診した。6年前、感染した右から左への大腿動脈バイパスグラフトを管理するため、人工グラフトを用いた腹部大動脈-左浅大腿動脈バイパス手術を受けていた。CT画像では、吻合部仮性動脈瘤を伴う破裂した左浅大腿動脈が明らかになった。
手術中に、元の腹部大動脈-左浅大腿動脈バイパスグラフトが浅大腿動脈から完全に剥離していることが判明した。動脈瘤を切開し、次に血腫と潰瘍化した壊死性皮膚病変を切除した。人工グラフトの同じ部分を切除し、同側伏在静脈で部分的に置換した。