田島 明弘
アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による小腸障害は、臨床現場で頻繁にみられます。カプセル内視鏡検査とダブルバルーン内視鏡検査が主な診断方法です。小腸障害には、出血、びらん、潰瘍形成などがあります。残念ながら、NSAIDによる小腸障害の正確なメカニズムは、今のところ解明されていません。治療に関しては、多くの薬剤が処方されていますが、現在のところ、NSAIDによる腸障害の予防を目的に特別に設計または承認された治療法はありません。さらなる臨床研究と基礎研究が待たれています。