アハメド・タバビ、アデル・リム、ジャバー・ダボウブ
チュニジアでは、蚊(双翅目:カ科)は病気の媒介者として重要な役割を果たしているにもかかわらず、蚊に関する知識は分散しており、体系化されていない。入手可能な公表済みおよび未公表の報告書を収集し、検討した。チュニジアには約 43 種の蚊が生息する。ハマダラカ属は合計 12 種存在する。チュニジアで流行期にマラリアの伝染に関与し、現在もチュニジアに生息している種は、北部および中央部に優勢な Anopheles (An.) labranchiae と、中央部および南部に生息する An. sergenti および An. multicolor である。イエカ属には 11 種が含まれる。最も危険な種は Culex (Cx.) pipiens で、チュニジア全土に分布している。この蚊は、チュニジアにおけるウエストナイルウイルス(WNV)の伝染に関与していると考えられている。媒介動物に関しては、ネッタイシマカは2000年以前にチュニジアで報告されていたが、それ以降は見られなかった。さらに、デング熱とチクングニア熱のもう1つの媒介動物であるヒトスジシマカはチュニジアで報告されている43種の蚊の中には含まれていないが、後者は近隣諸国で蔓延している。収集・分析されたデータは、特に医療昆虫学の分野における現在および将来の蚊の研究に役立ち、媒介動物制御戦略の開発と実施に役立つだろう。