川端康成、西武士、田島義継
膵臓がん患者の長期生存を達成するには、治癒目的の外科的切除が最も効果的な治療選択肢と考えられている。左側膵臓がんに対する膵体尾部切除術(DP)では、左から右へ、右から左へという2つの主な郭清方法がある。従来のDP手術は左から右へ郭清する標準逆行性膵脾摘出術(SRPS)であったが、その後、右から左へ郭清する根治的順行性モジュール型膵脾摘出術(RAMPS)が開発された。SRPSと比較して、RAMPSではより多くのリンパ節を採取でき、R0切除率も向上しているが、患者の生存率などの腫瘍学的転帰はこれらの手術で同等である。最近、膵臓がんに対する腹腔鏡を用いた低侵襲膵体尾部切除術(MIDP)が進歩した。MIDPも、開腹DPと比較して腫瘍学的利点を示すのに十分ではなかった。膵体部または膵尾部の癌に対するDPの実施における各外科的アプローチの影響と利点を明らかにするために、追加のランダム化比較試験を実施する必要がある。