堀幸治、小西貴美子、田中宏明、蜂須貢、横山幸子、青木真理、東一成、神保功一、岡田将生、蜂巣貢
目的: アルツハイマー病(AD)における認知症の行動心理症状(BPSD)に対する薬物療法の臨床的意義を示す。背景: 日本では、ADのBPSDに使用できる薬剤はない。逆に、非定型抗精神病薬は、高齢の認知症患者に処方されると死亡率が上昇するため、使用が禁止されている。方法と結果: 加齢と病気の進行がBPSDに及ぼす影響について報告した過去の論文をレビューし、加齢と病気の進行の影響により、気分クラスター(不安や情動障害)と精神クラスター(妄想や幻覚)および攻撃性が関連していることを示した。結論: ADのBPSDは、混合型うつ病や精神病性うつ病の双極性特徴と類似していた。ADのBPSDには、うつ病を増強する薬剤を処方できる可能性がある。