ジョン=ウグワンヤ・A・グレイス、ブサヨ・オオリンカ、ジョサイア・A・オナオラポ、ファティマ・ハッサン=ハンガ、フダ・ムニル、ポール・D・フェイ、スティーブン・K・オバロ
菌血症における表皮ブドウ球菌の臨床的影響については依然として議論が続いている。本研究の目的は、表皮ブドウ球菌分離株のメチシリン耐性とバイオフィルム形成を明らかにすることである。2009年から2016年の間にナイジェリア中北部と北西部の選ばれた7つの病院に通院した5歳未満の小児から採取した合計102の表皮ブドウ球菌血液培養分離株について、セフォキシチンディスク寒天拡散試験を用いてメチシリン耐性を分析した。定量的マイクロタイタープレート（MTP）法と従来のポリメラーゼ連鎖反応（PCR）により、それぞれ表現型バイオフィルム形成と細胞間接着遺伝子座（icaA）遺伝子の分子検出を行った。74（72.5%）のメチシリン耐性表皮ブドウ球菌（MRSE）が観察され、20（19.6%）の表皮ブドウ球菌分離株でバイオフィルム形成が検出された。 icaA遺伝子陽性および陰性のS. epidermidisは、それぞれ22.5% (23/102 )および77.5% (79/102) であった。MTP法およびicaA遺伝子検出を用いたバイオフィルム形成の相関関係では、19.6%がバイオフィルム産生菌およびicaA陽性であったのに対し、2.9%はicaA遺伝子を有するものの組織培養プレート上でバイオフィルムを産生しなかった。icaA陽性S. epidermidisのうち、91.3%がMRSEであったのに対し、 icaA陰性株では69.6%がMRSEであった。メチシリン耐性Staphylococcus epidermidisは一般的であり、バイオフィルム産生株の大部分はメチシリンに対して高度に耐性であった。これは、 S. epidermidisにおけるバイオフィルム形成とメチシリン耐性の増加との間に密接な関連があることを示唆している。