ジョン・D・スコット、ケリー・L・クラーク、ジョン・F・アンダーソン、ジャネット・E・フォーリー、モニカ・R・ヤング、ランス・A・ダーデン
カナダのオンタリオ州ケノーラで、ヒトを含む哺乳類宿主から採取した8種のマダニ科ダニ(ダニ目:マダニ科)から、ライム病菌である広義のボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi sensu lato、sl)を検出しました。この8種のダニには、Ixodes angustus、Ixodes banksi、Ixodes cookei(グラウンドホッグダニ)、Ixodes gregsoni、Ixodes muris(ネズミダニ)、Ixodes scapularis(クロアシダニ)、Haemaphysalis leporispalustris(ウサギダニ)、およびDermacentor albipictus(冬ダニ)が含まれます。 PCR増幅に基づき、検査した94匹のダニのうち39匹(41%)がB. burgdorferi sl陽性でした。B. burgdorferi sl複合体のフラジェリンB(flaB)遺伝子のDNA配列決定により、ヒトに対して病原性があり、患者にさまざまな神経学的症状を引き起こすB. burgdorferi sensu stricto(ss)の存在が明らかになりました。特に、私たちはI. gregsoniにおけるB. burgdorferi slの最初の記録を提供し、既知の分布範囲を西に200 km拡大することで、東部および中央カナダにおけるこのダニの分布記録を新たに明らかにしました。私たちの研究結果は、ケノラ地域全体の生態系内でB. burgdorferi slの広範囲にわたる風土病性伝播サイクルがある可能性があることを示唆しています。医療専門家は、ケノラ地域にライム病が存在し、公衆衛生上のリスクであることを十分に認識する必要があります。