カロリーナ・M・ステピエン1とクリス・J・ヘンドリックス
はじめに:フェニルケトン尿症は、フェニルアラニン(Phe)ヒドロキシラーゼ酵素の欠損によって引き起こされるまれな代謝障害です。天然タンパク質の摂取を減らすと、血漿Phe濃度が最適化されます。高血漿Pheレベルとコレステロール合成の阻害との関係は以前に観察されていましたが、そのメカニズムは不明でした。低LDLコレステロール濃度は、小児および青年期のPKU患者で観察されましたが、成人では観察されませんでした。これは、この疾患の成人患者の脂質プロファイルを提示した最初の論文です。方法:脂質プロファイルは、PKUの成人患者の分析を行いました。Pheと4つの結果(総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド)との関係を調べました。交絡因子(予測因子)として、ボディマス指数(BMI)、年齢、性別を考慮しました。統計分析は、多重線形回帰を使用して実施しました。結果:176人の成人患者のうち、91人が女性(52%)でした。平均年齢は32 ± 10.7歳でした。82人の患者(46%)が厳格なPKU食事療法を受けていました。平均Pheは1017 ± 440 μmol/Lでした。平均総コレステロールは4.33 ± 0.94 mmol/L、LDLコレステロールは2.48 ± 0.8 mmol/L、HDLコレステロールは1.2 ± 0.34 mmol/L、トリグリセリドは1.6 ± 0.9 mmol/Lでした。PKUの成人患者コホートでは、Phe濃度と脂質プロファイルに相関関係はありませんでした。心血管イベントはコホートで記録されませんでした。結論:結論として、研究の結果は、平均総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド濃度が健常者と比較して大幅に低く、それが心血管リスクの低下をもたらす可能性があることを実証しています。脂質プロファイルはPhe濃度に関係なく低いままでした。