コカバ V、テポ A、ヤマト M、ダイスケ M、ケラル M、モジャラル A、ダムール O、ブリヨン C
目的: UpCell®-Insert (CAOMECS、培養自己口腔粘膜上皮細胞シート) 技術により口腔粘膜で培養した幹細胞の自己上皮を角膜移植することにより、輪部幹細胞欠損 (LSCD) による両眼角膜失明を治療する。方法: 重度の両眼 LSCD を呈する 26 眼のうち 23 眼について、CAOMECS 角膜移植の有効性を長期にわたって評価した。この研究は、12 か月間続いた臨床試験の評価に基づいている。主要評価基準は視力であり、副次評価基準は上皮の状態 (表面点状角膜炎の程度、潰瘍の有無、新生血管の数と活動性、結膜化の有無によって評価される複合基準) と生活の質 (羞明、乾燥、痛みの程度) であった。平均追跡期間は28か月[18~48か月]でした。結果: 治療を受けた23人のうち17人(74%)で視力が向上し、15人(62.5%)で上皮の状態が改善し、22人(95.6%)で生活の質が向上しました。間質混濁の9人の患者では、CAOMECS移植により角膜輪部新生血管が減少し、全層角膜移植も可能になりました(それまでは幹細胞が不十分で急性移植片拒絶反応を起こし、不可能でした)。このグループでは、66.7%の症例で視力が向上し、66.7%で上皮の状態が改善し、100%で生活の質が向上しました。解釈: これらの長期的結果は、CAOMECS が上皮の継続的な再生に必要な幹細胞を含み、新生血管形成と結膜形成を遅らせることで角膜上皮機能を回復することを示しています。間質が健康な患者の場合、他の治療なしで視力の向上が可能です。間質がひどく悪化している患者の場合、全層角膜移植が可能になり、視力の改善が達成されます。この研究は、CAOMECS 移植が LSCD による失明に対する革新的で安全な治療法であることを示しています。