エリック・G・ソガード
もともと深部貯留層環境から分離された Thermoanaerobacter brockiisubsp. lactiethylicus 株 9801T を、微生物による石油増進回収 (MEOR) で使用できるかどうか評価しました。微生物による石油増進回収に必要な代謝産物の生成と成長に最適な環境パラメータ (温度、塩分、pH) を見つけるための調査を実施しました。pH 6~9.5、塩分範囲 0.5~3.5% (w/v)、温度 50~60oC の培地で成長が見られました。最適な成長は、pH 約 7、温度 55oC で起こりました。発酵性基質には、糖蜜、強化クロストリジウム培地、チオグリコール酸、原油が含まれ、主な発酵最終生成物は乳酸、揮発性脂肪酸、二酸化炭素を含む少量のガスでした。乳酸の濃度は11.7 g/lに達し、コアチョークサンプルに腐食効果をもたらし、バックグラウンド値の約38倍のカルシウムイオンの溶解と放出につながりました。さらに、この菌株は、100 mlの培養液あたり0.0034〜0.052 g/hの収率でバイオマスも生成しました。バイオサーファクタント生成アッセイの結果、油置換面積は3.5 cm2であることが示され、原油の発酵により、軽質油と重質油の両方で長鎖アルカンの濃度が大幅に減少しました。最後に、この菌株は、代謝産物生成の点でMEORで使用される他の既知の細菌株と比較して優れているため、Thermoanerobacter brockii subsp lactiethylicus 9801Tが微生物による油回収の強化に利用できる可能性が確認されました。