桑原啓司、市原英明、松本洋子
L-α-ジミリストイルホスファチジルコリンとα-D-グリコピラノシル-α-D-グルコピラノシドモノミリステート(TreC14)からなるトレハロースリポソーム(DMTreC14)のヒト非小細胞肺癌(A549)細胞の増殖に対する阻害効果と抗浸潤活性をin vitroで調べた。流体力学的直径が100 nm未満のDMTreC14を4週間保存した。アポトーシスを伴うA549細胞の増殖に対するDMTreC14の阻害効果が得られ、A549膜へのDMTreC14の蓄積の増強が観察された。DMTreC14で処理したA549細胞の細胞膜流動性の増加が、蛍光脱分極法に基づいて観察された。 DMTreC14 はカスパーゼとミトコンドリア経路を活性化することで A549 細胞のアポトーシスを引き起こしました。A549 細胞に対する DMTreC14 の抗遊走効果は、糸状仮足形成の阻害によって観察されました。A549 細胞に対する DMTreC14 の MMP-14 の減少による抗浸潤効果が得られました。