桑原啓司、市原秀明、松本洋子
90 mol% L-α-ジミリストイルホスファチジルコリン (DMPC) と 10 mol% ポリオキシエチレン (25) ドデシルエーテル (C 12 (EO) 25 ) からなるハイブリッドリポソーム (HL) の阻害活性を、ヒト神経膠腫 NP2 細胞で調査した。流体力学的直径が 100 nm 未満の HL は 4 週間持続した。HL の NP2 細胞の増殖に対する阻害効果を評価した。HL 処理した NP2 細胞のアポトーシス誘導を、PI アッセイと TUNEL 法で測定した。HL は、ミトコンドリア経路を介して NP2 細胞にアポトーシスを引き起こした。HL 処理細胞では、AIF タンパク質発現の増加が観察された。蛍光脱分極法で明らかになったように、NP2 細胞の細胞膜流動性も増加した。NP2 細胞の膜における HL 蓄積の増加が観察された。