市原秀明、山崎秀一、日野元基、上岡竜一、松本洋子
L-α-ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)とポリオキシエチレン(25)ドデシルエーテル(C12(EO)25)からなるハイブリッドリポソーム(HL-25)の抗血管新生活性による乳がんに対する治療効果をin vitroおよびin vivoで調べた。in vitroでは、HL-25がヒト臍帯血管内皮細胞(HUVEC)における毛細血管形成を阻害する効果を示した。in vivoで薬剤なしでHL-25を静脈内投与したところ、ヒト乳がん(HBC)のマウスモデルにおける腫瘍容積の顕著な減少が確認された。HL-25で治療したHBCのマウスモデルにおける抗血管新生活性は、CD34を使用した免疫染色法に基づいて観察された。HBCのマウスモデルに対するHL-25の薬剤なしの抗血管新生活性とともに治療効果がin vivoで初めて明らかになった。