肝臓ジャーナル

概要

腸間膜デスモイド腫瘍を伴う横隔膜上の異所性肝組織から発生した肝細胞癌

アルベルト オルダーニ*、マルチェロ ガラヴォリア

異所性肝組織はまれな臨床実体であり、腹膜外局在の症例は文献でほとんど報告されていない。デスモイド腫瘍は、結合組織の過剰増殖の結果として生じるまれな良性腫瘍である。54歳の患者が左横隔膜から生じた胸腹部腫瘤の切除術を受けたが、術前のαフェトプロテインは高かった。組織学：腹膜異所性肝組織島から生じた肝細胞癌。術前のCTおよびNMRで、手術中に切除された腸間膜デスモイド腫瘍の存在が偶然診断された。我々が観察した症例では、2つの非常にまれな腫瘍の共存が示された。原始的な肝慢性疾患および癌がなく、高αフェトプロテインレベルの胸腹部腫瘤を有するこの患者では、異所性肝臓の発癌が疑われる。