オットー WJ、ホウフコ WH、クラウツィク MS、クロル MA、ヴィルコヴォイスカ UM、ヴィルチェク E、シェルジンスキー J
目的: 肝細胞癌の臨床病理学的特徴は、肝移植後の腫瘍再発の大部分を占める。腫瘍の血管新生能力も移植後再発率に寄与していると考えられる。本研究の目的は、肝移植後のHCC再発に対する循環造血幹細胞(HSC)、内皮前駆細胞(EPC)、血清血管内皮増殖因子(VEGF)の寄与を評価することである。方法: 本研究は、ミラノ基準内のHCCを有する肝硬変患者49名を対象に実施した。彼らは2009年に移植を受け、現在までに54か月間追跡調査されている。循環HSCおよびEPCの率は、フローサイトメーターで新鮮血2mlの表現型分析によって評価した。血清VEGF濃度は酵素結合免疫測定法(ELISA)によって測定した。腫瘍の特徴を調べるために、肝組織片の組織病理学的検査を実施した。データは統計的検定で分析した。結果:この処置に関連して9人が死亡した。残りの40人の患者のうち、36か月前に6人(15%)で腫瘍が再発し、その後54か月の観察期間前に5人(12.5%)で再発した。腫瘍再発患者では、移植前の循環HSCおよびEPCの割合が有意に高く、それぞれChisq=17.25、p<0.001およびChisq=13.96、p<0.001であった。しかし、このグループでは血清VEGF濃度の差は有意ではなかった。結論:肝移植後の腫瘍再発の予測因子として、腫瘍の血管新生能力を考慮する必要がある。