栄養障害と治療のジャーナル

概要

フードサミット2020：ペットの健康的な脳の老化を促進するための最適な栄養 - パン元龍 - ネスレ・ピュリナ・リサーチ

パン・ユアンロン

老化は、犬や猫を含む人間や動物のすべての組織や臓器に影響を及ぼします。高齢の犬や猫の中には、最終的に認知機能障害症候群 (CDS) と呼ばれる認知障害や認知症を発症する人もいます。これは、人間のアルツハイマー病に似た症状です。CDS は治癒可能な症状ではないため、私たちの非侵襲的研究は、犬や猫の健康的な脳の老化を促進する栄養戦略に焦点を当ててきました。私たちは、犬や猫の認知機能を高める 2 つの栄養ソリューションを開発しました。1 つ目のソリューションは、中鎖脂肪酸トリグリセリド (MCT) を与えることで、老化した脳細胞がエネルギーとしてブドウ糖を利用する能力の低下に対処するもので、私たちの研究では、MCT が高齢犬の認知機能を高めることが確認されています。2 つ目の栄養ソリューションは、脳の老化に関連する既知のリスク要因を最小限に抑えることです。リスク要因は複数あるため、私たちはそれらのリスク要因をターゲットにした栄養ブレンドを開発し、その栄養ブレンドが中年および高齢の猫の認知機能を大幅に高めることを確認しました。要約すると、最適な栄養は、健康な高齢の犬や猫の認知機能を高めることができることが研究によって実証されています。私たちがペット向けに開発したものは、人間向けの同様の栄養ソリューションの開発を促進するのに役立ちます。

多くの栄養素は、認知機能を含む脳の構造と機能を維持するために不可欠です。一部の栄養素が不足すると、脳の構造と機能が損なわれ、脳の老化が加速します。追加の栄養素は、承認されている必要量よりも多く摂取すると効果を発揮する可能性がありますが、認知機能に有益な可能性のある他の栄養素は、必須栄養素として認識されていない可能性があります。ここで提供される情報の目的は、老化した脳に重点を置いて、栄養素が脳機能と認知に及ぼす有益な効果の証拠を要約し、認知機能障害症候群の犬の食事管理に関する証拠を提供することです。

中年のペット向けの新しい食品ソリューションの開発は、人生の後半期に入っても脳の健康を維持するのに役立ちます。この発見はペットケアにおける画期的な進歩であり、ペットが老年期まで機能を維持できるよう脳細胞を強化する栄養を提供します。  

The solution, a new Brain Protection Blend™ (BPB), is a nutritional enrichment that targets metabolic changes and risk factors linked to brain aging. It is designed for pets to start consuming in middle age.  The BPB can help maintain cognitive functions, such as memory, social interaction and learning abilities, and can keep them as sharp as they can be as pets’ age. 

“By taking a more proactive approach, there may be an ability  to slow the brain’s decline often experienced among pets as they get older. “Humans understand the need for additional nutrients to live healthily, so it’s imperative that pet owners are aware of similar nutritional breakthroughs available for their pets that help slow the changes associated with aging.”

The BPB can improve cognitive function – thinking abilities and memory – in cats between 5 - and 8-years old. Plans call for the new BPB to be added to select Purina products for cats or dogs in the next 12-18 months. The effects of the BPB on dogs and hopes to eventually offer the solution to both species are still evaluating.

The BPB can be added to pet food and is comprised of a unique formulation including key ingredients such as fish oil, B vitamins, and antioxidants and the essential amino acid, arginine.

“All of these nutrients may be present in the natural prey of cats and can be found in many types of foods. The launch of the BPB is the second phase of pronged approach to addressing cognitive decline in pets using extensive research techniques that focus on adding nutritional enhancements to pet food.

The first phase cantered on developing a neuron-targeted nutrition with a blend of nutrients based on medium chain triglycerides (MCTs) to improve memory function in senior dogs. Typically, cognitive decline is a slow and gradual process that begins in middle age and can be linked to a drop in brain glucose metabolism that occurs as dogs age. The outcome often results in memory loss, reduced social interaction, learning impairment and disorientation.

MCTs are nutrients sourced from vegetable oils such as coconut oil. A breakthrough diet blend containing MCTs is an innovative way to provide fuel to a pet’s brain.

A research study confirmed significant improvements in behaviour and cognition in as little as 30 days when senior dogs were fed diets with MCTs. Improvements were seen in attention span, trainability, decision making and overall cognitive function. Cognitive decline also occurs in cats and Purina is currently researching ways to include MCTs in cat food.

Cognitive Decline in Pets a Growing Concern

Some pet owners associate mobility problems to physical issues that come from adulthood without realizing that a lot of these issues actually stem from cognitive decline. This can end in pets forgetting the way to perform normal functions like employing a litter box or finding a food bowl.

研究によると、11～12歳の犬の28％、15～16歳の犬の68％に、1つ以上の精神的な問題の兆候が見られます。猫の場合、11～14歳の28％に認知機能低下の兆候が見られ、15歳以上になるとその割合は50％に増加します。

ペン・シェーン・バーランドが実施し、ピュリナが発行した2014年4月の調査によると、犬の飼い主の37%が7歳以上の犬を飼っています。これは、認知機能の低下により、ペットの飼い主の非常に大きなグループがペットの健康に関連する問題に直面する可能性があることを意味します。残念ながら、犬の飼い主の51%は、犬が老化の副作用として認知機能の低下に悩まされる可能性があることを認識していません。

しかし、焦点を広げて、若いペットの認知能力を強化し、長期的な脳の健康を促進する栄養オプションを見つけましょう。4月の調査によると、犬の飼い主の83％は、将来的に脳の健康を維持できるなら、若いうちから犬に高級フードを与えることを検討するだろうと答えています。

 

ピュリナは、犬の食事について調査する画期的な「寿命研究」を開始した 1986 年以来、400 人以上の科学者、獣医、栄養士がペットの老化の影響を研究しています。2001 年以来、研究者は健康的な栄養がペットの脳の健康に及ぼす利点を研究しており、2009 年にはピュリナが MCT ベースの栄養ブレンドを発売した最初の企業となりました。ピュリナは、目のケアや体重管理など、ペットの老化に関するその他の問題にも取り組んでいます。

 

ネスレ ピュリナ ペットケアについて

ネスレ ピュリナ ペットケアは、責任あるペットケア、コミュニティへの参加、そして人とペットの良好な絆を促進しています。ペット製品の世界的大手メーカーであるネスレ ピュリナ ペットケアは、栄養、健康、ウェルネスの分野で世界をリードするスイスに拠点を置くネスレ SA の傘下企業です。 

バイオグラフィー

パン・ユアンロン氏は、中国の甘粛農業大学で動物栄養学修士号を取得。米国バージニア工科大学で動物栄養学博士号、米国ノースカロライナ大学グリーンズボロ校で人間栄養学博士号を取得。1996年から2000年まで、ウェイクフォレスト大学医学部で更年期と認知の分野で研究。2000年にネスレ・ピュリナ・リサーチに入社。18本以上の論文を発表し、78件の特許を取得。共同研究による科学分野での卓越した業績により、セントルイス科学アカデミー2016年ジョージ・エンゲルマン学際賞を受賞し、セントルイス科学アカデミーのフェローとなった。

注:この研究の一部は、2017 年 5 月 29 日から 30 日まで日本の大阪で開催された第 10 回世界栄養・食品科学会議で発表されました。