老化科学ジャーナル

概要

嚥下機能の低下が進む高齢者の飲食障害に対応した独立支持型骨盤固定システムダイニングチェアの効果評価

深浦淳一、為和哲史、金子英雄、難波武、武田泰彦

医学文献にはスムーズな嚥下姿勢（頸部前屈姿勢）と誤嚥に対応した嚥下機能訓練が記載されています。頸部前屈姿勢をいかに作り、いかにしてNFF姿勢を維持するかは、医学・工学の研究者・開発者にとってダイニングチェア開発の最大の未解決課題です。高齢者を誤嚥と誤嚥性肺炎から守ることを目的としたダイニングチェアが日本で開発されました。ダイニングチェアの機能効果が本当に実証されれば、日々の食事に困っている高齢者の皆さんにとって貴重な情報になると考え、ダイニングチェアの機能構造の実際の効果を筋電計で検証してみました。検証の結果、新しい姿勢固定システムでの食事はスムーズな嚥下効果を発揮することが確認できました。新方式のダイニングチェアの検証結果は、嚥下機能の低下が続く世界中の高齢者の皆さんにとって嬉しい情報です。