フランシス・ムゲニ・ワヤマ*、クリスティーン・セカッデ・キゴンドゥ、ムブルDN、ヌグギNN、ネイサン・キボイ
背景: 糖尿病性腎症は、主に1型糖尿病の発症から5年後に現れるアルブミン尿を特徴とする、糖尿病の致命的な微小血管合併症です。現在、その予測と診断のゴールドスタンダードは微量アルブミン尿の証明ですが、その予測力には限界があります。目的: この研究では、尿中アルブミンクレアチニン比 (UACR) 測定の代替手段として、1型糖尿病患者の糖尿病性腎症の予測因子としての高密度リポタンパク質コレステロール (HDL-C) レベルを評価しました。対象と方法: ケニヤッタ国立病院の糖尿病クリニックに通う13~48歳の1型糖尿病患者89名を対象とした記述的横断研究が登録されました。被験者の人口統計学的特徴を把握するために質問票が配布されました。測定されたパラメータには、血圧、BMI、尿アルブミンクレアチニン比、推定糸球体濾過率(eGFR)、総コレステロールおよび高密度リポタンパク質コレステロールが含まれていました。結果:アルブミン尿と高密度リポタンパク質コレステロールの低値の被験者は、糖尿病期間と血圧が有意に高かった(p<0.05)。独身はアルブミン尿の重要な交絡因子でした。高密度リポタンパク質コレステロール値と尿アルブミンクレアチニン比の異なる状態の被験者を分析したところ、性別、識字レベル、腎臓病の家族歴、年齢、BMI、推定糸球体濾過率、総コレステロールに関して有意差は見られませんでした(P>0.05)。被験者の高密度リポタンパク質コレステロールと尿アルブミン-クレアチニン比の間には有意な逆相関が認められた (r=-0.394; p=0.001) 一方、高密度リポタンパク質コレステロールと推定糸球体濾過率の間には有意な相関は認められなかった (r=0.029; p=0.098)。結論: 高密度リポタンパク質コレステロール値は尿アルブミン-クレアチニン比と良好な相関関係にあるため、糖尿病性腎症発症の有意な予測値を示す。