後藤田寛也、桑原篠崎法子、田口智恵子、太田光宏、下坂道晴、伊藤孝則、平塚幸一、栗田智子落合、那須郁雄
背景:本研究の目的は、成人の歯垢サンプル中のう蝕原性細菌の比率に基づいて、う蝕とストレプトコッカス・ミュータンス(S. mutans)およびストレプトコッカス・ソブリヌス(S. sobrinus)の同時感染との関連性を評価し、う蝕リスク評価のための臨床およびチェアサイド培養アッセイ(キット)を開発するための基礎データを取得することであった。
方法と材料:成人ボランティア 192 名 (年齢範囲 20~28 歳) から滅菌歯ブラシを使用して歯垢サンプルを採取しました。う蝕歴、う蝕歯、欠損歯、充填歯 (DMF) の数を判定しました。被験者は、S. mutans と総連鎖球菌の比率 (Sm/TS 比率) および S. mutans の数に応じて、高リスク グループと低リスク グループに分けられました。
結果:う蝕活動性 (CA) グループでは、S. mutans および S. sobrinus の数と Sm/TS 比がう蝕非活動性 (CF) グループよりも有意に高かった。高リスク S. mutans および検出可能な S. sobrinus サブグループの細菌数と Sm/TS 比は、CF グループよりも CA グループの方が有意に高かった。S. mutans および S. sobrinus の高レベルは、う蝕と有意に関連していた。S. sobrinus が検出された場合、DMF 歯と S. mutans の Sm/TS 比の間には有意に高いう蝕リスクが認められた。
結論:プラークサンプルが S. mutans と S. sobrinus の高レベル感染を同時に受けた成人では、単独感染の成人よりも虫歯の数が多かった。これらの結果は、歯垢サンプルを使用して Sm/TS 比に応じて虫歯の重症度を持つ成人集団を検出するために、虫歯原性歯科細菌の分析が有用であることを示している。