三田明子、宮村浩一、日野正行、渡壁京子、高橋慶太、吉本道子、高橋直人
目的: チロシンキナーゼ阻害剤 (TKI) は、慢性骨髄性白血病 (CML) 患者の標準治療です。最近の研究では、CML 患者の中には、TKI の投与を中止しても寛解を維持できる人がいることが示されています。このような治療を中止する臨床的判断は、BCR-ABL1 転写産物/内部コントロール遺伝子転写産物の国際スケール (BCR-ABL1IS) から得られる患者の分子反応 (MR) によって決まり、TKI の投与中止の閾値として一般的に使用されるのは MR4.5 (つまり、BCR-ABL1IS ≤0.0032%) です。しかし、BCR-ABL1IS を決定するすべての方法が MR4.5 を測定するのに十分な感度を持っているかどうかは、依然として議論の余地があります。
方法: CLSI EP-17-A2 を参照したプロビット分析を使用して、ipsogen BCR-ABL1 Mbcr IS-MMR DX キットで測定した BCR-ABL1 転写産物のキット固有の検出限界 (LoD) を算出しました。合計 50 個の末梢血 (PB) サンプルが 3 か所の CML 患者から採取され、各 21 ml サンプルが 7 ml と 14 ml の容量に分割されました。
結果: キット固有の LoD は 3 コピー/アッセイと判定されました。サンプル測定では、94% (7 ml PB グループ) および 96% (14 ml PB グループ) で ABL1 転写産物が 94,000 コピー/アッセイ以上であることが示されました。これは、キット固有の LoD が 3 コピー/アッセイであることを考慮すると、MR4.5 のスコアに必要なレベルです。
結論: この結果は、ipsogen BCR-ABL1 Mbcr IS-MMR DX キットが、偽陰性の結果を回避するために厳密な条件が設定された状態で、MR4.5 で安定したスコアリングを行うのに十分な感度を備えていることを実証しました。