ダイク・O・ウクク、デイビッド・J・ゲヴェケ、ピーター・H・クック
液体食品の栄養価を変えずに微生物の安全性を実現できる非熱介入技術の必要性から、高周波電界(RFEF)プロセスが開発されました。しかし、この技術による細菌不活化のメカニズムに関する知見は限られています。本研究では、大腸菌(7.8 log CFU/ml)の膜損傷と、RFEF処理したリンゴジュース中の細胞内膜物質の漏出を、25 kV/cmで、25°C、55°C、75°Cで3.4ミリ秒間、流速540 ml/分で調査しました。細胞膜の損傷は透過型電子顕微鏡(TEM)で検出し、細胞物質の漏出はATPルミノメーター(20 D)と、細菌細胞表面の変化を特徴付けるために使用される静電および疎水性相互作用クロマトグラフィーで測定しました。 RFEF 処理により、55°C および 75°C での熱処理のみの場合と比較して、細菌細胞表面の疎水性と相対的マイナスイオンの損失が大幅に減少しました。細胞物質が培地に漏れたことで細胞が損傷したことが示され、TEM 観察では RFEF 処理した大腸菌細胞の細胞内膜構造が変化していることが示されました。この研究の結果は、RFEF の不活性化のメカニズムは細菌細胞表面の疎水性の破壊と相対的マイナスイオンの損失によるもので、これが損傷と細胞物質の漏れ、そして死につながったことを示唆しています。