村井理恵と吉田直人
栄養寒天培地で増殖した Geobacillus thermoglucosidasius 細胞 (親コロニー) を、酢酸塩とカルシウムを含む方解石促進ハイドロゲルの表面に置いた。60°C で 4 日間培養した後、親コロニー内に直径 110~130 μm の方解石単結晶が合成された。方解石は 6.6% (原子%) の Mg を含み、顕著な蛍光特性を示した。さまざまな金属イオン、ケイ酸イオン、リン酸イオンをドープした方解石促進ハイドロゲル上で合成された方解石の形態の変化と蛍光強度の発達を調査した。Mg、P、または Sr イオンをドープすると、それぞれの金属イオンがカルシウムサイトに置換溶解した方解石格子が得られた。2 mM Mg イオンを含む方解石促進ハイドロゲルでは、方解石の Mg 含有量は 22 原子% に増加した。ハイドロゲルに Al、Si、または P イオンをドーピングすると、蛍光強度が増加した方解石が得られた (対照方解石の 190 ~ 196%)。予想に反して、ハイドロゲルに Mn、Sr、Fe、または Co イオンをドーピングすると、蛍光強度が減少した方解石が得られた (対照方解石の 64.4 ~ 96.9%)。ハイドロゲルに Mg または P イオンをドーピングすると、方解石表面はそれぞれ滑らかまたはシート状になり、対照方解石の粗い表面の球状形態とは対照的であった。Mn または Al イオンをドーピングしたハイドロゲル上で合成された方解石の表面には、特徴的な隙間構造が観察された。蛍光顕微鏡検査では、方解石は、それぞれ 360 ~ 370、460 ~ 500、または 530 ~ 560 nm の波長の光を照射すると、青、緑、または赤の蛍光を発することが示された。 Al、Si、Pイオンを添加したハイドロゲル上で合成した方解石は、360~370 nmの光を照射すると、対照の方解石よりも強い蛍光を発しました。私たちの研究により、G. thermoglucosidasiusは希土類元素が存在しない場合に方解石蛍光体の調製に有用であることが実証されました。