トニー・ワルロースとペトリ・スーシ
タバコモザイクウイルス(TMV)とタバコマイルドグリーンモザイクウイルス(TMGMV)はともに、N. suaveolensとN. fragransの交雑種植物であるNicotiana megalosiphonに過敏反応(HR)の局所病変を誘導することが知られているが、全身移行が可能なのはTMVのみである。そのため、N. megalosiphonにおけるTMVとTMGMVの過敏反応誘導と全身移行の決定因子をさらに分析した。HRは温度に依存しないことが示され、これは耐性反応がタバコ(N. tabacum cv. Xanthi-nc.)でTMVに対して誘導されるN遺伝子反応とは異なることを示している。サリチル酸水酸化酵素(nahG)をコードする野生型とトランスジェニックタバコ植物の病変成長を比較したところ、TMVはN. megalosiphonとXanthi-nc./nahG植物で同様に広がることが示された。さらに、SAの外因性適用はTMVの全身移行を妨げなかった。コートタンパク質欠損TMVはHRを誘導できず、N. megalosiphon内で全身移行しなかったことから、CPがHRの誘導因子であり、全身移行の決定因子であることが示唆される。しかし、TMV-CPを発現する単一の表皮細胞は細胞死を起こさなかったことから、HR細胞死の形成には、最初に感染した表皮細胞からのウイルスの移動、または完全なウイルス粒子の存在が必要であることが示唆される。さらに、TMV-CPの代わりにTMGMV-U5のCPを運ぶウイルスベクターを含む、異なるTMV株の比較では、HRの誘導と全身ウイルス移行のタイミングで違いは見られず、CPはTMVとTMGMVの異なる侵入の決定因子ではないことが示唆される。