天貝 孝文、白 秀文、王 琦文、三宅 勇、野口 正文、中井 聡文
日常生活におけるニコチンの個人曝露を測定するために、ニコチンの個人曝露の測定法を開発した。この方法は、ニコチンの受動サンプリング、簡単な溶媒抽出、および高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 測定から構成される。受動サンプラーはバッジ型で、収集媒体は亜硫酸水素ナトリウム含浸石英繊維フィルターであった。収集されたニコチンは、ニコチン亜硫酸塩として純水で簡単に抽出された。ニコチン亜硫酸塩は HPLC で分離され、分光光度計で検出された。3 種類の HPLC 分離カラムがテストされ、陽イオン交換カラム Zorbax 300-SCX で最も優れた分離が得られた。また、使用したフィルターの種類、ニコチン亜硫酸塩の安定性も評価した。フィルター上のニコチン亜硫酸塩は、屋外空気中で蒸発または分解されなかった。収集されたニコチンの量は、同時能動および受動サンプリング実験から作成された式によって空気濃度に変換された。そして、本研究で開発されたニコチン測定法は、ニコチンの個人曝露量を正確に推定するのに有用であることが示唆された。